
脱原発社会をどう作るか、政治学は正面から向き合う
千葉 眞 (国際基督教大学/政治思想)
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■日本人はもっと自分たちの考えを主張するべきだと思います。今回震災においては予想もつかなった放射能汚染の問題が日本を襲いました。首相も率先していた電力を原発に頼ることも見直されることになりました。そんな中、世論調査では脱原発を支持する人はわずか20%。世の中の人は何を考えているのかわかりません。大地震から復興しようとする中、放射能汚染で故郷を去らざるをえなかった人を見ていないのでしょうか。いつ故郷で普段の生活を送れるかわからない人たちを何だと思っているのでしょうか。まだ子どもであって大人のように意見を言えない私でも怒りを覚えます。今回の大震災では被災者の経験を活かすことが復興につながることだと思います。(高1・女子・A.M)
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■私は千葉先生の話を聞き、全く反対の考えを持ちました。脱原発社会? そんなことをしたら日本の電力は一生不足のままです。日本の電力の約33%は原子力発電で補われています。その33%の原子力を産む54基の原子炉をなくしたら何で発電しようというのでしょうか。33%の電力を削減するということはとても大きな損失です。夏にエアコンを切って過ごせるでしょうか。夜の街の街灯を消しますか。それによって起こる事故や事件を考えたら、電気なしに私たち日本人は生きていけないのです。もちろんECOというのは大切なことですが、日本は原発を受け入れて共に生活しなくてはいけない原発社会なのだと私は千葉先生のメッセージを読んで考えさせられました。(高2・女子・マドンナ)
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■震災前と震災後で世の中は大きく変わりました。大津波で地上にはがれきが残り、放射能の値が毎日ニュースで報告され、牛や農産物から基準値を超える値が出たというニュースも日常茶飯事という異常事態。しかしこれを「悲劇」ととらえるのではなく、日本社会の「転機」ととらえ、一歩一歩前に進むことが必要なんだと思います。日本人の一人としてこれからの日本の進むべき方向について考えていきたいと思います。(高2・女子・H.M)
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■今回の震災により引き起こされた福島原発事故は、東京電力の見通しの甘さから来るまぎれもない「人災」であり、隣県に住む私たちの生活は現在も放射能汚染に脅かされている状態であります。地震大国であり、原発に依存してきた私たちにとって脱原発社会とは口ではいくらでも言えますが、この国の現状では実現は難しいと考えています。更に世論調査での脱原発への再定位を考えている人が20%程度という結果は、国民の危機感の無さを露呈したものであると思いました。(中3・男子・Y.K)
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■この先生の話を聞いて東日本大震災の被害によってどのような政治が行われているかということが理解できた。今日本はその影響で深刻な財政難におちいっていることから一人一人が今できることを精一杯行い、一日一日を懸命に生きていきたいと思うようになった。(高1・男子・M)
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■日本の制度構想において脱原発社会を目指すことが重要になってくる。やはりそれには太陽光発電ほかの自然エネルギー供給システムに移行していくしかない。しかし日本国民の脱原発についてのあまりの関心の低さには驚いた。これが対応の遅れにもつながっているのではないかと思う。(高3・男子・T)
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■脱原発を進めなくてはならないという意見は非現実的だと思う。なぜなら太陽光に代表される自然エネルギーは供給が不安定であり、日本のように国土が狭い環境では効率性が悪いからだ。原子力の使い方をうまく考えることが重要だと思う。(高3・男子・S.E)
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■ドイツなど外国の対応に対し、日本の対応は確かにずれていると思う。3.11で戦後が終わったとすると、これからの社会を支えるのは若い世代なので、多くの知識を身に付け、きちんとした対応をしていけるようにしたい。政治学を学ぶのもおもしろいと思った。(高3・男子・Y.Y)
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■原発事故以降まだ事態は収拾しない。そのため政府や世論は脱原発を訴えているか、原発に代わる発電方法を政府は考えず、国民もそれに対しては関心が少ない。大規模な事故があった以上脱原発は必要なのだから、政府そして国民の意識を大きく改革することが必要だと思った。(高3・男子・K.O)
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■現在の技術力では脱原発を完全に実現するのはまだまだ先の話だと思う。節電や計画停電をしなければならないというのは複数の原発が運転していないから。かといって火力に頼っては温暖化などの問題がある。脱原発を本当に目指すならば、原発、火力に代わる具体的で画期的な発電方法を示してからにしてほしい。(高3・男子・K)